1人ひとりが、みんなのモデル
主幹 内藤 由雅
乳児クラスの保育中にあった一場面です。
粉ミルクの空の缶の中からペットボトルのキャップを取り出すという手作りのおもちゃで遊んでいた
Aくん。初めは、出す・中に戻す・再び出す…を繰り返していました。少し経ってBちゃんがその
遊びに興味関心を示し、近づいてきてそのおもちゃに手を伸ばすと、Aくんはその手を振り払い
ました。「一緒に遊んでもいい?」と保育者が代わりに伝えると缶からキャップを1つ取り出して
Bちゃんに渡しました。Bちゃんは嬉しそうに受け取ると、その後は2人で上手に遊んでいました。
何度か繰り返して遊んでいくと、Bちゃんが取り出したキャップと次々と積み重ねていったのです。
Aくんはその様子を見て「おー!!」と目をまん丸にして、拍手をしていました。Bちゃんが
みつけた新しい遊びを2人で楽しむ、微笑ましい姿でした。
幼児クラスでは、年長・年中児が年少児のことをよく気にかけながら生活しています。公園へ
出かける時や幼稚園へ帰る時、一緒に歩く友達を素早く探して手を繋いでいました。保育室で
遊んでいる時もずーっと年少児のあとを追ってその子の遊ぶ様子をじっと見ていたり、そのままに
していったものを片付けたりする姿がありました。保育者にお願いされたのでしょうか、自分で
そうしようと思ったのでしょうか。
乳児・幼児共に友達、保育者の様子をよーく見ながら生活しています。“人的環境”は、とても
大切なものですよね。私たち保育者は子どもたちの“良きモデル”となり、一緒にいることで
安心して生活することができるように日々心がけて接するように努めています。