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お知らせ

8月「乳幼児期の「心」の育ち」

2021.7.26

月の巻頭言

幼保連携型認定こども園
北海道文教大学附属幼稚園
幼児主幹 大友 菜津子

「三つ子の魂百まで」ということわざを耳にされたことがあると思いますが、こんにち、この言葉は、研究者たちによって科学的に証明されています。それらを踏まえて、国の幼児教育・保育の方針で「幼児期は生涯の人格形成を培う重要な時期である」と述べられているのです。近年は幼児だけでなく、乳児期の育ちも同様に大切にされています。ですから「乳幼児期」はとても大切にされなければならない重要な時期といえるでしょう。私たち保育者はこのことをしっかり受け止め、日々子ども一人一人の子の育ちの保証に努めています。

子どもの心身の発達で「身」の部分は目に見えてわかりやすいですが「心」の部分は見えにくいものです。そのため大人は子どもの育ちを「字が書けるように・読めるように」「上手にお話できるように」「言われたことができるように」という目に見えやすい部分で評価しがちです。しかし、本当に大切なことは「心」という見えにくい部分の育ちだと思うのです。人格形成とはこの「心」の部分を指しているのです。

本園の縦割り保育では、この部分の育ちを何とか保証したいと考えています。「様々な得意・不得意がある中で、お互い助け合いながら乗り越える」という経験をしていくことが、「互いの認め合うこと」につながり、それらのこと、一つ一つが生涯の人間関係の基礎となる重要な経験になるのです。

私たちのこども園でも、開園当初は、誰もが「不安・不安定」の日々を過ごしてきました。生活の流れを知り、保育者との信頼関係や友達同士の繋がりが深まり、幼稚園でのいろいろなことがわかるようになり「安心・安定」へ確実に向かっています。この「安心・安定」の基盤ができたことにより、子どもの「心」の育ちは加速していくことでしょう。

4月は保育者に頼りがちだった子どもたちが、今では友達を頼りにするようになり、頼られた子どもたちがとても良い表情で関わり合います。感情がぶつかり合う場面でも、自分たちなりに解決し、どちらもとても清々しい表情をしています。一人一人の子の育ちを信じ、このような日々の体験の繰り返しが「心」を育てていることの確信を心に刻み、これからの保育に邁進し続けていきます。