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お知らせ

2月「自然を大切にする」

2026.1.30

月の巻頭言

自然を大切にする

フリー保育教諭 八木 紀子

去年の夏は、今まで経験したことのない暑さが続きました。環境省から熱中症アラートが発表され、暑すぎるために水遊びができないということが北海道で起きました。また、秋には熊が人間の生活圏に出没する報道が毎日のようになされたことも今まで考えられなかったことの一つではないでしょうか。

現代の子どもたちは、豊かな自然と触れ合う機会が減っていると言われています。幼児期から草花や小さな生き物に触れるという自然体験は五感を刺激し、好奇心を育み、感動を知り、豊かな感受性の発達を促します。「幼児期に自然と触れ合い、楽しかった経験をした子どもは、大人になったとき自然を大切にするようになる」と東京大学名誉教授の汐見稔幸先生が仰っていたこともあり、子どもと自然をつなぐ活動を取り入れるべく、自然あそび養成講座を受講してきました。

会場となった公園には大きな松ぼっくりがたくさん落ちていました。「園の子どもたちに見せてあげたい」と思ったのですが、主催者から「木の実は森の物ですから、必ず返してくださいね」と言われ、はっとしました。木の実はりすや鳥たちの大切な食べ物です。当たり前のことなのですが、人間を含む生き物は自然がないと生きていけません。食べ物や薬、水もすべて自然からのめぐみなのです。そのことをすっかり忘れ、人間中心になっていたことに反省しました。また講座では五感を「意識して使う」あそび方を学んできました。目を閉じて音がいくつ聞こえたのかを参加者同士で発表しました。「耳を研ぎ澄ます」行為は意識しないと使っていなかったことや、人によって感じるものは全く違うのだと体験を通して学んできました。「私はこう考える」「あの人はこう考える」と、自分の考えと他者との考えの違いをフェアな立ち位置で知ることで、一人ひとり違う感じ方があり、考え方があるという多様性を感じられるのも、自然の素晴らしさだと思います。

子どもたちが大人になった十数年後、気候や生態系はどうなっているのでしょうか。子どもは「あそび」を通して様々なことを学んでいます。自然体験が多い子は思いやり、やる気、人間関係能力等、資質・能力が高いと言われています。自然に触れさせる機会を多く積み、自然を大切にする行動ができるような、そんな大人になって欲しいと願っています。