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お知らせ

1月 「言葉」

2024.12.27

月の巻頭言

言 葉

 

フリー保育教諭 鶴舍 祐美

 

雪が降り始め、朝夕の冷えが厳しくなり季節はすっかり冬となりました。こどもたちは雪の訪れに大喜びです。寒さに負けずこどもたちと一緒に雪遊びを楽しみたいと思います。

先日、1歳児クラスのこどもたちと遊んでいたことの出来事です。私はブロック遊びをこどもたちと一緒に楽しんでいました。ブロックコーナーには4~5人のこどもたちがいたのですが、向こうから一人の子がやってきて、ブロック遊びをしている子の前を横切りました。その時、ブロックが壊れそうになり遊んでいた子は不快な表情をしていました。言葉が上手く表現できない1歳児のこどもたちですので、代弁をしようと思い声を掛けました。「遊んでいるところを通って、嫌だったよね。ごめんなさいね。壊そうと思ってわざとではないの。ごめんなさいね。」と話すと、横切ってしまった子も「ごめんなさいね。ごめんなさいね。」と話しながら通っていきました。

その場面に私は驚きとともに感動を覚えていましたが、同時に場に応じた自分の言葉や行動に責任をもたなければならないと改めて感じました。

「真似る=学ぶ」と言われますが、何も知らない赤ちゃんはその土地の言葉や風習を成長と共に学んでいきます。地方の方言がわからないのは周りに話す人がいないからです。場に応じた言葉掛けは、その子の人格形成にも関わってくると感じます。大人の言葉や行動は、乳幼児期にとって重要なことです。

以前、保護者の方からお聞きした話です。お子様が年中の頃の話です。片付けをしないことにその方が怒ったそうです。その時に、その方自信が片付けていないものも混ざっていたらしいのですが、引くに引けずそのまま怒り続けたそうです。数日後、謝ろうと思いその事を話し出すとその子は「お母さんがしたことはわかっていたけど、自分も悪いから言わなかった」と話したそうです。その子の心の育ちに感心しました。きっと、今までに心温まる親子でのやり取りがたくさんあったのでしょう。

私達は、お子様の育ちに関わる職を選び一緒に過ごさせていただいています。日々考えたり悩んだりすることがたくさんありますが、最善を尽くしながら保育をしていかねばと改めて思います。